最近、遺産を巡って
争族という言葉をよく耳にするようになりました。
高度成長時代は、一生懸命に働けば給料も上がり、
会社を定年退職するときは高額な退職金を手にすることができ、
60歳になれば国民年金に加え厚生年金に加入していた人は、
かなりの額の年金を受け取ることができました。
しかし、バブル崩壊を経て長引くデフレ経済におかれた日本では、
一生懸命働いても給料は増えず、
高齢層の社員にとっては年々給料が減り続け、
加えて、退職金の額も大学卒業をした人で、
10年前からみれば500万円以上も減少している企業も少なくありません。
また、年金もすでに65歳からの支給に引き上げられており、
さらに、支給年齢の引き上げがしばしばクローズアップされています。
現代社会に生きる人たちにとっては、
かつての高度経済成長期の恩恵を受けることはなく、
将来に大きな不安を感じています。
自分の努力により、経済的な生活環境の好転を果たすことができないため、
かつての高度成長の恩恵を受けてきた親世代の遺産の相続に、
子どもたちがかつてないほど執着する時代となっています。
こうした時代だからこそ、残された子供たちが
遺産のことで揉めることのないよう、
親世代は遺言書で財産の帰属を明確にしておくべきです。
財産ないなら遺言書は不要?かといえば全く違います。
財産がある人の相続は、分けるものがたくさんあるため比較的順調に進みますが、
財産が住んでいた不動産だけという相続に限って、相続人が争うことが多くなります。