書遺言を作る場合の注意点

遺言を残そうと考えたとき、いざ自分が亡くなったときに

書類が無効扱いになることを心配する方は多いと思います。

エンディングノートや自作の遺言状は手軽だし

心理的な抵抗も少ないので挑戦しようという方は多いようです。

その上今は気軽にフォーマットを書店で手にできます。

 

しかし家族仲が良いとか、そもそも分けるだけ財産がなかったり

不動産は老親と同居している子供がもらうなど兄弟同士で話し合いが済んでいるなど

不安要素が比較的少ない場合は多少の書面上の不備は故人の遺志の尊重でとおるかもしれません。

 

ただ法定相続分以上の割合で財産を残したい人がいる、

相続権がない人やそもそも隠し子や愛人がいてそこにお金を残したいと思っているような場合だと

不備があれば法律の後ろ盾のある人には有利にことが運ぶでしょう。

 

そこで専門家に依頼して公正証書遺言を作ることが確実な方法となります。

(銀行に勤めているため銀行預金の払い出しに最低限必要な謄本等の見方や

遺言書の種類はレクチャーされました。

公正証書遺言は証人が2人いる、公証人の面前で内容を口述する等手間がかかることは確かです)

 

ただ遺言の内容を秘密にしたい人は自作するか秘密証書遺言を選ぶ必要があります。

自作のものはあまり説明する必要はないと思いますが、

秘密証書遺言は公証役場で作成する必要があり証人が2名いるなど公正証書遺言と似ています。

 

しかし自作遺言と秘密証書遺言は家裁で検認という遺言書が存在するという証明を受けなければならず、

特に秘密証書遺言は遺言状の封入が定められています。

万一正式な手続きを経ないで開封すると遺言状が無効になりかねないという重大な結果を招きます。

 

なぜこんなに秘密証書遺言に字数を割くかというと、かつて新卒で各種届出業務の窓口に立っていた行員が、

相続手続きの相談に来店した遺族が差し出した遺言状をやおら開封し

あわや訴訟という騒ぎに発展したことがあったそうです。

無効になったかどうかはプライバシーに触れるためか確認はできませんでした。

そのため研修期間が終わって窓口業務に一人で当たる前に封緘した書類は

独断で開けないようにとしっかりといい含める方針が徹底されました。

 

故人の方やご遺族の方がいくら勉強しても社会人になったばかりの人間が

全ての努力を台無しにしかねないことがあるので、

あまり前向きな態度ではないですが銀行員だからといって

法律に明るいとは到底言えないと用心してかかる必要があるのかもしれません。

 

一つの手としてはその銀行でできるようなら相続人代表が一括で預金を受け取り、

責任を持って遺言どおりに分けることにして遺言状には触れさせないことでしょうか。

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