遺言書がある場合でも、
書き方によっては、相続人全員で遺産分割協議をして、
財産分与を決めることになります。
このときに、相続税の納税が少なくなる方法を選ぶことで、
納税の負担は減らすことができます。
遺産分割によって節税する方法の一つは、
小規模宅地の特例をうまく利用することです。
一定の条件に該当すれば、
居住用の場合は240㎡まで80%の減額ができ、
事業用の場合は400㎡まで80%の減額ができる特例です。
居住や事業を継続する人が相続したほうが減額が大きくなるので、
分割の目安とすることができます。
また、居住用の土地と事業用の土地が別にある場合は、
どちらに適用するほうが節税額が大きくなるかを比較してから選ぶといいでしょう。
また、両者を組み合わせて節税することも可能です。
二つ目の方法は、
配偶者税額軽減の特例を利用することです。
配偶者には財産の半分、あるいは1億6千万円までは無税とする特例があり、
配偶者の取得割合を増やすことで納税額を減らすことができます。
この特例を最大限に利用することで大きく納税額を減らすことができるので、
通常は節税の一番手に検討できる項目です。
しかし、配偶者が相続した財産は次の相続でまた課税対象となり、
最初は納税額が少なくても、
次の納税額が大きくなることもあります。
よって相続税の合計額を計算し、納税額が少なくなる
遺産分割のしかたを比較して選択するのが賢明です。