生前は家族に申し訳なくて
愛人との間に生まれた子どもの存在を
言い出すことができなくても、
その子も自分の子どもの一人であることに違いはありませんので、
財産を残してやりたいと考えるケースがしばしばあります。
認知しておかなくては相続権が発生しませんが、
遺言書による死後認知が認められています。
つまり、遺言書にその子を認知する旨を書いておくようにすればよいのです。
そのような遺言書を残されてしまった家族としては、
まさに青天の霹靂とも言える事態であるわけですから、
いい迷惑だとも言うことができます。
場合によっては遺言書を握りつぶされてしまう可能性もありますので、
確実に財産を残してやりたいと考えているのであれば、
遺言執行者を指定しておく方がよいでしょう。
また、公正証書の形式にしておくというのも一つの方法です。
正式な婚姻関係にない男女の間に誕生した子どもは
認知されたとしても非嫡出子ということになりますので、
現在の法律では婚姻関係にある男女間で生まれた
嫡出子の2分の1の相続分しか認められておりませんが、
最近になって嫡出子と非嫡出子との相続分の差に対する
違憲判決が下されましたので、そう遠くない将来には
法律が改正されて同等の相続分が認められるようになる可能性が高いです。
遺言書を残す側としては、残された家族を
トラブルの渦中に投げ込んでしまうことが確実なわけですから、
死後認知の旨だけでなく、遺留分にも配慮した具体的な
財産分配を書いておくようにするのがベストです。