遺言書は、書く本人の最終の自由意志を実現させるためのものですから、
死後やってほしいことは、何を書いてもかまいません。
といっても何を書けばいいかわからない人は、
基本的に、「遺された家族が現在の生活を続けられるようにする」、
ということを考えると、迷わずに書くことができるでしょう。
もしも現在、自宅に一緒に住んでいる人がいるなら住み続けられるようにする。
あるいは、まだ学校に行っている子どもに、自分が亡くなったあとも生きていたときと同じように支援する、
といった具合です。
その理由は、周りの人が納得できるように書き足しておきましょう。
ただし、遺言書の内容全てに法的な効力が認められるとは限りませんが、
遺族が遺言者の意思を汲み取って、実現してくれる場合もあります。
相手がもらって困るものは相続させない
例えば、都会で暮らしている会社員の子どもに、田舎の家を相続させても、
固定資産税がかかるだけで、住めないし、売れないこともあり、困るだけです。
病院の医師が患者さんから遺言で色々なものをもらい、困ったという例もあります。
本人はよかれと想っても、かえって相手に迷惑をかけることもあるのです。
金融資産は、その人が運用できるかどうか考える
これまで郵便貯金ぐらいしかしたことのない配偶者に値動きの激しい株式を遺しても、
うまく運用できない可能性が高いです。
それよりも株式投資に詳しい子どもに相続させるなど、
それぞれに応じたものを遺した方がいいはずです。
不動産は共有しない
共有にすると、将来、共有者が亡くなったりして権利関係が複雑になり、処分が難しくなるからです。
また、農地や事業用不動産は、跡を継いでくれる子どもに残すなど、
事業の継承を考えた対応が必要です。
財産を漠然と相続させない
公平にしたいがために、全財産を子どもたちに等分するという人もいます。
一見公平に見えますが、具体的に誰が何をもらうのかはっきりしていないので、
結局、遺族が遺産の分け方を話し合いで決めることになります。
また、祭祀財産(墓や祭壇)などについては、
遺言書に「墓は長男に継いでもらいたい」など、
祭祀財産の承継者を遺言で書き残すこともできます。