もう、4年前になります。
親父が突然、くも膜下出血で倒れました。
あまりに突然のことで、母親から電話連絡をもらい、病院にかけつけたときには、
検査が終わり緊急手術を行う直前でした。
ストレッチャーの上で顔が赤黒く腫れた親父の顔は、この先も決して忘れることはないでしょう。
脳外科病院の専門の先生には、その日から都合3度の手術をしていただきました。
中には当時最先端の技術を利用したものもあり、本当に最後まで手を尽くしていただきました。
母親と交代で病院に泊まり込んでいましが、ちょうど私が仕事場へ向かおうとした、
倒れてから6日目の朝、親父が二度と覚めない眠りにつきました。
倒れてからは意識が一切戻らず天に召されましたので、
私は親父と最後の言葉を交わすことができませんでした。
心残りと言えば、それが心残りです。
何とか葬儀会社を手配し、様々な契約ごとなどをクリアしていき、
お通夜・告別式が終わるまで4日ほどかかりました。
あまりの忙しさに、私も母親もぐったり疲れてしまいましたが、
そうなると『これからどうするか?』という話になります。
親父がもっていた株式と、かなり古くて小さいですが実家があります。
死ぬ間際に何も話ができなかったので、正直、遺産をどうしたものかと悩みました。
親父には常々『俺がもし死んだら、家はお前にやるから、墓と母さんを頼む』と言われていましたが、
実のところ同居はしていませんでしたので、家を譲られても…というのが正直でしたし、
親父がその話をするたびに、「うるせぇ、いいから長生きしろって」と言っていた手前、
実際に親父が死ぬことなんて考えていませんでした。
妹もいますし、遺産をどうわけるべきか?
そんなとき母親が「そういえば、前に遺言状を書いていた」と言い出しました。
なんでも、亡くなる5年前に肺がんで入院する直前にしたため、親戚の叔父さんに預けていたのですが、
手術が無事に成功したのと、その叔父さん自身がパーキンソン病にかかったことで、
亡くなる半月ほど前に実家に戻っていたものでした。
幸い、実印で閉じられた封もそのままでしたので、これを参考にすることにしました。
その遺言を受けて、私が実家を継ぎ、株式などは、
母親が生きてる間は墓を守るために必要な資金として受け継ぎ、多少の現金は妹へ、
ということで、残された家族がもめることなく無事に済みました。
(ちなみに、実家を受け継いだので、引っ越しをし、母親の面倒を見ることになりました。
幸い離婚して独り身でしたので…)
もし、遺言がなければ…どのように納めていたのか?まったく想像もつきません。
亡き父に感謝です。