子どもがいない夫婦の場合には、
お互いが元気なうちに
適切な相続対策を行なっておくことをおすすめします。
どちらか一方が亡くなった後のことを想定して
いろいろな準備をしておくことを
縁起が悪いからと嫌がる人も少なくありませんが、
何も相続対策をしておかないと、
残された配偶者が家から追い出されてしまうようなことも起こりますので、
キレイ事ばかりを言っているわけにはいきません。
具体的に言うと、子どもがいない夫婦の片一方が亡くなった場合、
残された配偶者は常に法定相続人になりますが、
それ以外にも法定相続人が存在する可能性があります。
まず、親が存命であれば親も配偶者と一緒に共同相続人になりますし、
既に親が他界していても兄弟姉妹がいれば
兄弟姉妹が共同相続人になります。
また、この兄弟姉妹が既に死亡していたとしても、
その子どもが生きていれば代襲相続が発生します。
つまり、近い身内は誰もおらず天涯孤独であるという人を除けば、
皆何らかの相続対策が必要となってくると言うことができます。
このようなケースでの相続対策としてよく利用されているのが遺言書です。
亡くなった人が、残された配偶者に全財産を相続させる
という旨の遺言書を残していれば、
住む家を失ってしまう可能性はかなり低くなります。
両親が存命している場合ですと、
そのような遺言書があったとしても
法定遺留分までを否定することはできませんので、
場合によっては全財産の6分の1に対する権利を主張されることもあります。
ただし、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、
全財産を配偶者に残してやることが可能になります。