年老いた母の遺言、想いには必ず応えます。

近ごろ年老いた母が、度々延命治療のことや自身の葬儀についての想いを口にするようになりました。

あらためて、ふと私自身が遺言と遺書の違いがよく分かっていないことに気づきました。

 

遺書は書き記した本人が死を間近に感じて、自分自身の考えや思い、

そして感謝又は無念なことなど自由に書き残すことができる手紙であり、

法的には効力が全くないものだということ。

それに対して、遺言書は亡くなった人の財産について書き残すことだと分かりました。

 

本人が直筆で日付や氏名を書き捺印してあるものが、直筆証書遺言書といい、手軽に書ける点は良いけれど

後本人が書いたものかと遺族間でもめるケースが起こりやすいという難点があります。

ですから遺言書でもめない対策は、公正証書遺言の方がいいと思いました。

この方法だと公証役場で本人が口述し、公証人が作成し原本がきちんと保存されます。

そのため紛失の恐れがないというメリットがあり、手間と手数料がかかりますが遺族にとって良いでしょう。

 

しかし、どちらを選ぶにしても、死後初めて家族が知らない子供の存在や認知の事実を知ったり、

個人的感情であなたには一切財産をあげませんと書かれてあってもショックは計り知れません。

その後、遺族間でのトラブルは避けられません。

そのうえ後味の悪さだけが残ります。

そのためにも不動産を含めた財産はやはり個人的感情は捨てて、

誰もが納得するよう心がけたほうがいいことも分かりました。

 

豪邸や高級車など立派な財産を受け継いでも維持管理するのも、相続税をきちんと払うことも大変なことです。

生前に口頭で思いをきちんと伝え、遺書という形で書き残すことは必ず行うべきことだと思いました。

 

ところで私には79歳の父と冒頭の75歳の母がいます。

親に遺言書を書いてもらうのにどうしたらいいか。

悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思いますが、

私自身は6年前書から遺言のお手紙を書いたものを見せられ、保管場所も教えられました。

そこには、金銭面では何も財産として残せなかったことが書いてありました。

独身の私には、いざという時頼りになるのは、姉しかいないので姉妹仲良くしてほいいこと。

でも経済的にはそれぞれ自分のことで精一杯だから、お金ではたよらないこと。

口頭では、葬儀は雅俗層にしてほしいこと。

 

そして最後の母の言葉が、生きているうちに会いに来てよ。

あたしがあの世に行ってからはいいよ。

話しもできないし顔も見れないしと言われました。

正直ぐっとこみあげてくるものがありました。

幼いころから厳しかった母の、優しさを強く感じました。

きっと子供たちから遺言書を書いてほしいと言わせたくなかったのだと思いました。

お母さん、ありがとう。

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